君の行く道は果てしなく遠い

だのに〜な〜ぜ〜歯をくいしばり〜君は〜行くのか〜そんな〜にしてまで〜♪

こう書くだけで泣けてきそうである。藪投手が、球団にもマスコミにも挨拶を済ませた。あとは、すでに決まっていたマスコミ出演、後援会への挨拶まわり等を残すのみで、いよいよアメリカへ行って家探すらしい。
いつまで続くやも知れぬ暗黒時代の中、藪投手は投げ続けた。点が入りそうで入らない、またはまるで入りそうにない状況の中、黙々と投げ続け、あ〜今日も駄目かもって突然炎上するのを旨としていても、誰が彼を責められようか。
広い肩幅、渋い声、個性的な男らしい顔と、ビジュアルと才能を兼ね備えた貴重なスターだったのだ。そこに炎上癖とくれば、スポーツ紙とお茶の間に話題を提供してくれる神様のような存在である。
「今日はうちのピッチャー誰や?藪?う〜ん・・・」う〜んの後には万感の想いがこめられる。今日の彼は神なのか、悪魔なのか。監督は、彼の替え時を正しくつかめるのか、またしても間違うのか。ヒーローインタビューで、あのいい声で観衆を酔わせてくれるのか、参ったなあという風に広い肩をすくめベンチに帰って行く彼をみることになるのか。
彼に炎上癖があるからこそ、皆が彼を愛していた。人間だもの、そりゃきれるよねって。そんなとき悪いのは打てないバッターか替えるのが遅れた監督なのである。

藪投手が大リーグで自分の満足する成績を残せますよう祈ってます。前途に幸あれ。そして、球団幹部連中が言ってるように、いつの日か日本に帰ったら阪神の指導者になってね。